総評/審査委員長 倉本龍彦


 第7回道都大学美術学部高校生住宅設計コンクールの課題は「町の駐在所の家」でした。都会に暮らす学生にとって、駐在所を見かけることもなく、また敷地にも特長がなかったため、応募が相当減るであろうと思っていました。ところが、この難題をいとも簡単に解決した興味深い提案が全国39高等学校から、今年も241作品が集りました。


 建築家をめざす高校生諸君に考えてもらいたい今回の課題の要素は、以下のことでした。

 1−駐在と町の人々との関係
 2−旅人と町の人々との出会い
 3−老人同士や町民の交流
 4−若者の奉仕や行動と居場所

そして、

 5−平和で安全な地域社会

などでした。

 今年も、力作を提出してくれた学生諸君には、深く感謝と敬意を表します。また、先生方の熱心なご指導に頭がさがります。

















最優秀賞



 
佐野 慶輔

「Connection for you 〜つながりをあなたへ〜」

静岡県科学技術高校建築デザイン科3年

  


 
講評 最優秀賞/
Connection for you 〜つながりをあなたへ〜

 「ガラス張りの箱」の中で、いったい何が始まるのだろうか、興味津々です。老人たちだけではなく、町の老若男女の楽しい出会いと出来事がありそうです。人々は孤独ではなく、ここにやって来ると、「あなたとつながる」のです。また青年の活躍の場が、たくさん提供されています。ガラス箱に交わった建物も、内容もスケールもまったく適当です。今回の作品の中で、これは他を圧倒した力量で、最優秀を選ぶのに苦労はありませんでした。







学生審査員による審査風景





    








優秀賞
山田  調

「山田屋〜新米建築士とボロ屋敷の物語〜」

宮城県古川工業高校建築科3年




講評

 山田屋の平面図を見ていると、江戸時代の旅籠のようです。古い大店を改築したこの提案は、その広さの中の多様な場所設定や、変化に富んだ動線によって、エネルギーを感じます。平面図、立面図ともにその情感を良く伝えています。鉛筆書きではなく、CAD表現なら、こんなにドキドキはさせられなかったでしょう。すでに駐在の存在は影が薄く(良いことです。)、「女将」となった奥さんの活躍が見えてきます。







本間 美由紀

シャッター通りの駐在所
  〜マイスターにつかまるお客様。」

滋賀県安曇川高校
  総合学科建築デザイン系列3年




講評

 こんな駐在所のある町であれば、驚くような事件はありそうにありません。キッチンスタジアムでの地域のご婦人の活躍や、炉辺の賑わいや、縁側での出会いが目に浮かびます。私自身、湯上りに、木漏れ日の座敷でのうたた寝を夢見ています。町は、「若い後継者とマイスター」によって活気づいていくことを願います。「シャターの必要のない」立面図は、美しく、人々を安心させるでしょう。






     
    


 
     

佳 作


藤田 沙奈恵

「田舎の交番に泊まろう
〜とても安心だから」 

青森県青森工業高校建築科3年
清水 大祐

「まちの玄関 地域の駐在 
〜私と地域の人々の暮らし〜」

山梨県甲府工業高校建築科3年

講評

 あなたのお父さんが警察官で、あなたとも駐在所に暮らしていたとは、何かの縁でした。「外観が田舎風でないことが難点」とのことですが、キャンプサイトから屋外広場にかけて、人間的スケールの、優しいデザインが加われば、納得できる提案です。また建物自体の雰囲気も、外壁の表情と色彩、開口部の材料、庇のつけ方などで、まったく表情が変ります。

講評

 それ程広くもない敷地を利用して、上手に構成をしています。バスの待合所が併設されたことによって、その利用者がここに立ち寄り、交流の輪が広がりそうです。旧停車場の建物の再利用と、増設された住宅部のバランスも良いでしょう。ただし、旧トイレにこだわり過ぎたようです。また、電車の鉄道資料館と、プラットフォームの工夫が足りません。
     
海野 洸哉

「Le desire bubbles 〜希望の泡〜」

静岡県科学技術高校建築デザイン科3年
村山 大騎

「二人目の駐在さん
〜観光案内を利用したデイサービス〜」

三重県四日市工業高校建築科3年

講評

 本当に地面から湧き出る泡のような建物です。積み重なるその泡の造形は魅力的で、動きが感じられるダイナミックなものになり成功しています。球体という条件の中で、住宅部分はよく考えられていて、楽しい様子が感じられますが、料理室、お土産屋などが閉鎖的すぎませんか。描かれた植栽も、説得力に欠けるように思います。

講評

 まずは、あなたのような優しい気持ちが建築家には必要なのです。この青年の大活躍は目を見張ります。どちらかと言えば、出前の交流ですが、老人たちとのかかわりはとても面白く思います。そのせいで、敷地内での表現が少し足りず、また、駐在夫婦の住まいももう一工夫必要でした。丘の上にでも建っていたとしたら、2階はとても気持ちが良さそうです。


尾崎 麻衣

「祇園囃子の聴こえる駐在所」

兵庫県東播工業高校建築科3年

講評

 正直言って、どこが良いのか判断のつかないまま、佳作にまで残っていました。そう、長刀鉾の美しさに魅了されたのです。京都の町屋街に駐在所があるとは思えませんし、地域の老人たちとの交流や、青年の活躍も見て取れません。しかし、バランスが良く美しいのです。コンペでは、こんなこともたまにはあることです。








審査員特別賞



 倉本特別賞


伊藤 あずさ

私の町の駐在所」

三重県四日市工業高校建築科3年




講評

 理解するのにしばし時間が必要でした。地階の利用にも少し抵抗がありました。しかし、「活気があり、少し都市化された町の駐在所」との設定で納得しました。図面を読み解くうちに、スルメのように、味わいが次々と発見できる提案です。ルーバーの多用にも無理はなく、日の当り方によっては感動的でしょう。気になったのは、地階中庭の構成と使われ方で、見るだけの庭になりそうです。



 学生審査員賞


石川 雅敏

「一休笠〜お遍路さんの憩いの場〜」

山梨県甲府工業高校建築科3年




講評

 お遍路さんの経験はありませんが、ここには必ず立ち寄って休みたいと思いました。サークル中央の足湯で疲れを癒し、湾曲した広い縁側で昼寝をすることでしょう。地場の食材を煮炊きしている竈からの匂いに誘われお腹を満たして旅立つ姿が想像できますが、そうした意味では休憩施設の色彩が強すぎるように感じました。また、駐在夫妻の生活感や敷地全体の使い方の表現も希薄でした。



 学生審査員賞


吉葉 喬五

駐祭所」

山梨県甲府工業高校建築科3年




講評

 タイトルにある“祭”が図面いっぱいに表現されており、目を引く作品です。駐在の家と櫓が支える波打つ屋根が印象的で、屋根の上から景色や花火を眺める提案は流行とはいえ魅力的です。屋根の下には山車の手作り作業場があり、大きなテーブルを囲んで調理や食事を楽しむ人々の姿などが想像できます。ただ、建物が敷地の中に置かれているだけで、周囲や公園との関係が見られないのが残念です。



 学生審査員賞


松岡 弘樹

「Hilly town 丘の歌声
  〜我ここに至る〜」

静岡県科学技術高校建築デザイン科3年




講評

 敷地を斜めに横切る出会いの道、円形のパティオ、時を知らせる鐘、屋上と公園とのつなぎの桟橋など、人々の交流拠点となる工夫があちこちに見られる素敵な作品です。また、駐在所とお年寄りの空間を隣接させ、心優しい駐在の奥さんの人柄を表す三畳間の宿泊室など、丘の町のほのぼのとした雰囲気があふれています。ここで地域の人たちに祝福されて結婚式を挙げることが出来たらいいなと思いました。







      






奨励賞



前田 洋平

Time leave 
〜こちら富良野新発見駐在所〜
」 

北海道札幌工業高校建築科3年
成田 昇平

おらほの駐在所は街中ステーション

青森県青森工業高校建築科3年
     
阿部 祐子

高みの見物を楽しむ
〜観光の拠点をめざして


青森県青森工業高校建築科3年
浅利 幸史

あまやどり

岩手県盛岡工業高校
建築・デザイン科3年
     
丸山 あゆみ

RELATION 〜つながりの場所〜

福島県会津工業高校建築インテリア科3年 
橋爪 彩佳

「待ち合わせはあの蓮で。」

新潟県上越総合技術高校
建築・デザイン科3年
     
橋 千秋

地域を見守る *大楠木と駐在所*」 

新潟県新発田南高校建築工学科3年
菊地 星也

「駐在さんと青年の賑やか市場」

静岡県沼津工業高校建築科3年
     
大橋 楊平

花鳥風月

静岡県科学技術高校建築デザイン科3年
大野 洋輔

寄り道、小路、回り道

静岡県科学技術高校建築デザイン科3年
     
鈴木 拓磨

イランカラプテー
〜こんにちは はじめまして〜


静岡県科学技術高校建築デザイン科3年 
鈴木 勝也

和気逢い合い〜笑顔に囲まれて〜

静岡県科学技術高校建築デザイン科3年 
     
本村 憲司

境内に立つ駐在所〜毎日が縁日〜」 

大阪府堺市立堺高校
建築インテリア創造科3年
奥野 智哉

Telescope Museum

大阪府都島工業高校建築科3年
     
品川 敬祐

神々の宿る駐在所

兵庫県東播工業高校建築科3年
敷波 颯太

チセの駐在所
〜熊と伝統文化と住まい〜


兵庫県東播工業高校建築科3年
     
西原 裕騎

町の保安官事務所」 

愛媛県松山聖陵高校建築科3年
小野 由希子

駐在所からの発信!
「エイジレス社会の構築」


大分県大分工業高校建築科2年
     
岩橋 龍之介

Adopt Program 
〜道路も公園も私たちの子どもです〜


大分県日田林工高校建築科3年
長峰 寛子

「優瑠璃〜ゆるり〜」

熊本県熊本工業高校建築科3年


























応募者一覧



都道府県 高等学校名 学年 氏  名   都道府県 高等学校名 学年 氏  名
北海道

















江別高校生活デザイン科 3 二瓶 百花   千葉県 千葉日本大学第一高校 3 鈴木 徳文
札幌工業高校建築科         (2作品) 3 前田 洋平   埼玉県

熊谷工業高校建築科 3 田端 由香
3 沼田 凌輔   大宮工業高校建築科    (3作品) 3 新井 壮大
室蘭工業高校建築科 3 廣吉 智佳   3 小川 卓也
                                  北見工業高校建設科建築コース(19作品)















3 阿久津 忍   3 羽鳥 真琴
3 阿武 頼直   山梨県



甲府工業高校建築科    (7作品)




2 石川 雅敏
3 工藤 舞夕   2 小林 奈々
3 斉藤 巧也   2 清水 大祐
3 齊藤 裕紀   2 伊達 綾美
3 佐藤 洸也   2 矢崎 真奈
3 高谷 亜里沙   2 吉葉 喬五
3 中尾 翔太   3 古屋  碧
3 成田 佑人   静岡県



















科学技術高校建築デザイン科(14作品)












3 大橋 楊平
3 能佐 太幾   3 佐野 慶輔
3 林  桂佑   3 松岡 弘樹
3 林  敬太   3 大野 洋輔
3 細川 浩司   3 内海 千帆
3 丸山 隼平   3 鈴木 拓磨
3 三科 優斗   3 片桐 嵩雅
3 道谷 智義   3 藤本  智
3 村井 淳哉   3 鈴木 勝也
3 森島 功乃介   3 海野 洸哉
3 八尾 美幸   3 井上 鳴海
青森県



青森工業高校建築科(5作品)



3 成田 昇平   3 大塚 淳矢
3 藤田 沙奈恵   3 山田 竜司
3 坂井 里衣     福嶋 良太
3 阿部 祐子   沼津工業高校建築科              (2作品) 2 足立 綾香
3 千葉 涼太   3 菊地 星也
秋田県








横手清陵学院高校総合技術科環境工学類型   (13作品)








3 石成 昌洋   天竜林業高校建築デザイン科       (5作品)


3 尾木 亮平
3 小田島 萌   3 神村  衛
3 木村 麻依子   3 外山 翔太
3 橋 千咲   3 柳田 健吾
3 高橋 知也   3 渡邉 龍星
3 田口 陽菜   島田工業高校建築科(3
作品)


3 鈴木 聖雅
3 山田 一樹   3 森山 祐介
3 渡邊  梓   3 山田 拳汰
3 佐藤 和博   浜松工業高校建築科 3 堀内 実香
3 鈴木 志穂美   愛知県 名古屋市立工芸高校建築    システム科    (2作品) 2 木村 勇次
3 向川 堅登   3 木谷 忠彦
3 山中  薫   岐阜県 岐南工業高校建築科          (4作品) 3 杉山 慎治
3 渡部 翔太   3 馬場 雄介
岩手県

盛岡工業高校建築・デザイン科   (4作品) 3 浅利 幸史   3 浅野 佑太
3 小倉 由香理   3 金澤 拓也
3 武井 さくら   三重県 四日市工業高校建築科       (2作品) 2 村山 大騎
3 山内 拓人   3 伊藤 あずさ
宮城県


県工業高校インテリア科      (2作品) 3 常磐 祐志   滋賀県

安曇川高校総合学科建築    デザイン系列 3 本間 美由紀
3 森  渉斗   八幡工業高校建築科            (2作品) 3 北川 あゆみ
古川工業高校建築科 3 山田  調   3 大西 李佳
山形県 米沢工業高校建設環境類 3 古谷 一貴   大阪府




































堺市立堺高校建築インテリア創造科    (7作品)




2 東  美月
福島県






































会津工業高校建築インテリア科   (38作品)

































3 赤座 伊織   3 主田 周大
3 五十嵐 大悟   3 宮川 裟彌香
3 石川 夢望   3 本村 憲司
3 一ノ瀬 幸恵   3 吉川 貴将
3 荻田 寿騎   3 梶本 莉沙
3 小椋 和也   3 山岸 亮太
3 小沼 竜也   大阪市立工芸高校建築     デザイン科                   (3作品) 3 尾崎  岬
3 笠間 有記   3 白石 純平
3 日下 慈子   3 十時 由人
3 小林 美和   都島工業高校建築科         (38作品)









































2 浅海 直人
3 齋藤 一臣   2 井貫 直樹
3 齋藤 和海   2 坂本 達也
3 神 佳奈子   2 橋元 一成
3 鈴木 里美   2 橋本 遼太
3 鈴木 匠平   2 古山 博貴
3 鈴木 菜奈   2 前川 彩乃
3 関  美里   2 森   満
3 久 彰人   2 三谷 峻生
3 高畑  舞   2 石井 孝典
3 林 由紀   2 石田 大貴
3 橘  拓谷   2 井上 佳祐
3 永野  聖   2 岩村 将希
3 橋本 美沙紀   2 竹田 智大
3 坂内 研太   2 橘  京佑
3 平野 詠士   2 松井 海渡
3 平野 貴大   2 文字 雄大
3 星  孝幸   2 石 昌宏
3 増子 純平   2 福江 蒼輝
3 丸山 あゆみ   2 藤田 大樹
3 三星 美雪   3 石原 將稀
3 宮城 友也   3 神ア 陽平
3 山本朋実   3 久保 亜弓
3 和田 一沙   3 中野渡 将裕
3 渡邉 晏奈   3 藤井 亨太
3 渡部 京介   3 安永 侑里
3 渡部 昌史   3 青野 琴子
  菅家 稜平   3 井原 利明
  渡部 由姫子   3 大坪 良樹
福島工業高校建築科        (2作品) 2 利根川真美香   3 大道 弘昂
2 本多 直哉   3 奥野 智哉
新潟県




































上越総合技術高校建築      ・デザイン科 3 橋爪 彩佳   3 久壽米木 悠
新発田南高校建築工学科   (32作品)

































3 荒木  茜   3 仙石 哲也
3 五十嵐 誉   3 廣中 愛莉
3 池田 浩隆   3 藤田 拓生
3 伊藤 郁也   3 水野 恭孝
3 大澤  朗   3 三野 貴久
3 小野 上総   3 有村  桃
3 鹿島  渉   兵庫県








東播工業高校建築科          (3作品) 3 品川 敬祐
3 神田 莉加   3 尾崎 麻衣
3 桐生 正紀   3 敷波 颯太
3 陸  拓也   兵庫工業高校建築科           (4作品) 3 東  貴陸
3 坂上 達也   3 前田 奈津美
3 相馬 直樹   3 山下 裕也
3 園部 裕司   3 本田 徳子
3 高橋 幸大   龍野北高校環境建設工学科(2作品) 3 堀内 敬太
3 橋 千秋   3 松本 真理子
3 松  恭   岡山県 岡山工業高校建築科 3 吉田 統一
3 田中 佑樹   愛媛県 松山聖陵高校建築科 3 西原 裕騎
3 中浦 聡志   大分県
大分工業高校建築科           (2作品) 2 小野 由希子
3 長尾 雅俊   2 高森 麻郎
3 中村 結衣   日田林工高校建築科 3 岩橋 龍之介
3 成澤  歩   熊本県







熊本工業高校建築科           (9作品)




3 佐藤  元
3 能登 遼一   3 堂園  汀
3 萩原 美咲   3 原   誠
3 長谷川 元春   3 本田  新
3 長谷川 裕   3 村上 直史
3 平松  匠   3 山ア 拓実
3 細貝 純佳   3 長峰 寛子
3 本間 柊平   3 西田 有沙
3 山田 尚道   3 原 恵莉菜
3 若月 美沙紀           全国39高等学校 241作品

3 渡辺  翔  
3 渡邊 葉月  






道都大学美術学部建築学科

〒061-1196北海道北広島市中の沢149
TEL 011-372-3111
FAX 011-372-2580

http://www.dohto.ac.jp
E-mail:kitoh@dohto.ac.jp









本コンクール応募要領はこちら



第6回高校生住宅設計コンクール2009入賞作品はこちら

第5回高校生住宅設計コンクール2008入賞作品はこちら

第4回高校生住宅設計コンクール2007入賞作品はこちら

第3回高校生住宅設計コンクール2006入賞作品はこちら

第2回高校生住宅設計コンクール2005入賞作品はこちら


第1回高校生住宅設計コンクール2004入賞作品はこちら



道都大学美術学部建築学科

〒061-1196北海道北広島市中の沢149
TEL 011-372-3111
FAX 011-372-2580

http://www.dohto.ac.jp

E-mail:kitoh@dohto.ac.jp


道都大学HPへ